最近、あらためて気づいたのですが
愛子さまのご生誕は、2001年12月1日。
そして、昭和天皇のご生誕は、1901年の4月29日(現在の「昭和の日」)。
お二方は、「20世紀最初の年」と「21世紀最初の年」ちょうど100年差でお生まれになっているんですね。
私は1975年(昭和50年)生まれで、昭和天皇がご存命の頃の記憶もギリギリある世代ですので、自分が同時代を生きた期間のある天皇・皇族の方々だけでも、100年以上の「歴史のタテ軸」があるのだなあ、と感慨深くなります。
この「歴史のタテ軸」(そして、同時代の共同体に属するヨコ軸)という事を強く意識するようになったのは、20代前半で「戦争論」を読んでから。
画像引用:「戦争論」より
「愛子天皇論」が大きく話題を集め、もしかしたら「戦争論」以来、久々によしりん先生の作品に触れた方もいるかもしれません。そして、その内容に感じるものがあったなら、ぜひ他の「天皇論」も読んで頂きたいです!
愛子天皇論の後半部分のような近年の流れも含めて、より広く深く知るには「天皇論平成29年」なのですが(もちろんこれは必読の書なのですが)
理由は、天皇が「芯の部分で受け継いで」いるものは何か?そして、天皇と国民の関係性、日本人とっての天皇とは何か?という事を、敗戦という建国以来最大の危機を乗り越える昭和天皇の姿を通して、心への激しいゆさぶりと共に考えさせる作品だからです。
実際、よしりん先生も昭和天皇論の冒頭でこう描いています。
画像引用:「昭和天皇論」
「戦争論」から、短絡的に日本バンザイの甘い汁だけを吸って(笑)ネトウヨに堕ちたりせず、自身(個)と歴史や社会との関係性について思いを馳せた感性を持った方なら、昭和天皇論はストレートに心へ響くはず。
その後(「天皇論」の増補版である)「天皇論平成29年」を読んで、その後に「愛子天皇論」を読み返すと…コミカルなタッチで描かれる直系よしりんと男野系子のバトルの背景にも、もしかすると初見の時には気づかなかった、あらゆる渦が轟音をたてているのを感じられるかもしれません。
昭和天皇から愛子さままでの100年に触れることで、ただマウンティングの道具として「男系男子」や「2700年の歴史」といった表層的なワードを振りかざすのが、いかに愚かしいかが深く実感できるはずです。